今回はベトナム水力発電株の最後の銘柄、ヴィンソン・ソンヒン水力発電の紹介となります。
この会社は136メガワットもの出力の水力発電を保有しています。最初に紹介したタックモーの225メガワットなのでそれよりも少し小さい規模となります。
繰り返しとなりますが、水力発電というのは一度ダムを建設してしまえば、コストは非常に安く電力を作って販売することができます。減価償却が終わっている場合はコストは基本的にずっと変わりません。ベトナムでは電力需要上昇とともに電力価格も上がっていますので、より高い販売価格で電気を販売し、厚い利益をエンジョイすることができます。
ということで、ベトナムの水力発電株なら何でも投資してOK!かというと、実はそうでもない・・・というのが今回分かりました。結論からいうと、ヴィンソン・ソンヒン水力発電は投資しないほうがいい、ということになりました。
財務分析です。
- 売上利益は安定していない。2019年には売上・利益ともに急減。他の水力発電株は、電気代上昇とともに売上・利益ともに伸びていたのだが・・・。
- バランスシートは負債比率が高い。特に問題になるレベルではないが・・
- キャッシュフローは投資キャッシュフローが嵩んでいる。(ほかに何か大規模プロジェクトを行っている?可能性もあるが、ベトナム語なので調べきれませんでした)
- 配当金は2019年に急減してほぼゼロ
以上のように他の水力発電株と比べると、まったく魅力に欠けるような財務状況です。この時点でもう投資する気が失せてしまいましたが、一応株価を確認してみます。
この5年はなぜか上昇基調で、2019年からも上がっています。
PERは私の計算だと32倍、配当利率はほぼゼロです。。
配当は減るわ、売上・利益も減るわでなにか問題が起こっているものと思います。調査する時間も有限ですので、この会社は投資しないと決めました。お勧めしません。
株で儲けるには財務分析だけでは足りませんが、少なくともババ株を引かないように超基礎的な財務分析は必要だよな~と改めて思いました。