今回はすごい小型株であるタインホアビールを分析します。
以前にベトナム最大手のサイゴンビールを分析しましたが、タインホアビールの時価総額はサイゴンビールの千分の1以下の4.3億円と、ものすごく小さな会社です。
ハノイ・ビア・アルコール飲料総公社(Hanoi Beer Alcohol And Beverage=HABECO)という政府系ビール会社の傘下にある会社で、タインホア省というベトナム北部にあるビール会社で、タインホア省やニンビン・ハノイといった近郊エリアでビールの販売をおこなっているようです。社会主義の国ですので、ベトナムでは電力株など、政府が絡む会社が多いですね。
ベトナムといえば暑すぎる国ということでビールをプハーとやるのが醍醐味でしょう。ベトナムでは世界的にもビールが安いようですし、ベトナム国民の所得が上がればビール代ひいてはビール会社の収入も上昇するのかなと思います。
一応タインホアビールはホームページがありますが、なんというか20年くらい前の設えですね。。ベトナム企業のホームページはだいたいこんな感じです。しっかりしてるのはビングループとかビナミルクといった大手企業ばっかりです。。今はグーグルが自動で翻訳してくれるので、ベトナム語だろうが問題なく内容が分かります。しかしながらPDF化されているアニュアルレポートはさすがに自動翻訳できません。。PDFでも翻訳してくれるソフトの開発を期待するしかないです。。
財務分析は下記の通りです。
- 売上は基本的に右肩上がりで、2019年に売上が急増(理由は不明)。利益額は右肩下がり傾向で、利益率は年々低下している。
- バランスシートは負債比率50%程度。ビールビジネスということで売上は安定しているためこの比率でも特に問題はないと思われる。
- 営業キャッシュフローはプラスなので問題ない。2019年はとんでもない額の財務キャッシュフローが出ている。この4年の財務キャッシュフローは全額配当金の支払いとなっている。
- 2019年の配当金支払いが凄まじい額となっている。
株価の推移は下記の通りです。
この10年で一時3倍くらいになりまたもとの水準にもどった、という感じの株価の動きです。時価総額は4.3億円くらいと非常に小さな会社です。
私の計算だとPERは5.9倍、そして配当支払い額÷時価総額で計算した配当利率が79.5%ととんでもないことになっています。。。これ本当だろうか、、と疑いたくなりますが、財務数値はこうなっていますし、investing.comでも配当利率は71%となっており、たぶんこれくらいかと思います。
配当利率は凄まじく高いのですが、そもそもキャッシュフロー的にこんなタコ足配当みたいな状況が続くわけないですし、利益額も年々下がっていることから、今投資するか・・・といったらパスですね。ビール会社に投資するならサイゴンビールのほうがリスク・リターン的にもベターかと思います。