ニュージーランド水力発電株

ニュージーランドの電力市場の概要

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ニュージーランドの水力発電株に投資をしたということで、ニュージーランドの電力市場について個人的な備忘録を兼ねて記載したいと思います。

概要

ニュージーランドは電力が自由化されており、発電会社が電力卸市場に電気を販売し、小売会社が電力卸市場から電気を買って、最終消費者に小売するという形式です。自由化された市場の規制は政府が行っています。

まず発電ですが、ニュージーランドでは大手5社、Meridian Energy, Mercury Energy, Genesis Energy, Contact Energy そして私が株を買ったTrustpowerが国内のほとんどの電気を供給しています。

水力と地熱が主で、大規模な水力発電所は南島にあります。ただ人口は北島のほうが多いので、南北を連なる送電線により南から北に電気を送っています。

下記が発電所の位置と規模を示した図です(出典は失念しました・・)。水色が水力・オレンジ色が地熱(北島にあります)赤がガス、緑が風力、黄色が太陽光を示しています。

送電はTranspowerという会社が行い、政府により規制されています。

小売も発電会社と同じ主要5社のマーケットシェアが高いです。これらの会社は電気だけでなく、ガスや通信と合わせてお客さんに販売してマーケットシェア争いをしています。

下記は経産省の資料です。

 

私は発電会社に投資してますので、卸売価格が気になります。卸売価格の推移は以下の通りです。NZのElectricity Authorityのデータから年間平均をとりました。

2016年から徐々に上がっていて、2002年は100ドル/MWh(7.5円/kwh) です。日本だと経産省の資料を見ると2020年度は11.8円なので日本よりは安いという感じですね。

ここから、「発電会社への投資」という観点で見ていきたいと思います。

発電

ニュージーランドでは大手5社、Meridian Energy, Mercury Energy, Genesis Energy, Contact Energy そして私が株を買ったTrustpowerが国内のほとんどの電気を供給しています。

過去20年間の電源別の発電電力量はこのようになっています。データはNZ政府統計です。

発電電力量は2010年からずっと横ばいで、水力と地熱が60%以上を占めるという構図は変わっていません。ただグラフでは読み取り辛いのですが太陽光と風力が近年増加しつつあります。

次に5社の主要発電会社別の電源別設置容量です。各社HPとウィキペディアから数値を拾いましたので必ずしも正確ではないかもしれませんが・・・。

私が投資しているTrustpowerは大手5社の中では規模が一番小さく、ほとんどが水力で一部石油発電があります。NZ大手5社は全部水力発電所を保有しています。

卸売市場の特徴

NZでは地点別に電力卸売価格が異なります。需要>供給のエリアは価格を高くして電源投資を促す、需要<供給のエリアは価格を低くする、という設計思想のようです。

上記にも記載しましたが、NZは首都ウェリントンや最大都市オークランドを抱える北島が人口の中心で、電力需要も北島が多くなっています。となると北島の方が卸売価格が高くなります。Electricity Authorityのデータから10年平均を計算すると、北島における卸売価格は85.19NZ$/MWh, 南島が78.00NZ$/MWh, 全国で81.60NZ$/MWh となっており北島のほうが南島より9.2%高くなっています。つまりざっくりいうと北島に位置する発電所は9%程度高く売れるので、その分収益性が高いといえます。

大手5社の北島・南島の電源設置容量をみてみます。

Trustpowerは半分以上が北島、Meridian Energyは大半が南島、Mercuryは全部北島、Contact EnergyとGenesis Energyは大半が北島となります。高く売れるという観点だとMercury 、Genesis Energy、Contact Energy、Trustpower、Meridian Energyの順番でしょうか。ただし電源の接続ポイント別で価格は違っているので必ずしもこの順番ではないのですが、大まかな概要をつかむという意味で見てもらえばと思います。

ということで個人的にはMercury が良いと思います。しかし私の仮説として「電力自由化した市場では、安くて安定した出力のある電源を持つ発電事業者が超過利益を得る」があります。小売事業は基本的に差別化できないコモディティの販売なので利益がほとんどないと考えています。なので発電専業(になる予定)のTrustpowerに投資をしたという経緯があります。仮説についてなぜそう考えるかはまた別の機会に記載したいと思います。

今後

今後のNZの電力市場、特に卸売り価格はどうなるか、NZ政府の資料がありましたのでこれに沿ってみて行きます。

複数のシナリオで将来推計を出していますが、まず電力需要の将来推計がこちらです。

どのシナリオでも電力需要は上がるという予測です。EVなどがどれくらい増えるか、不確実性がありますが堅調に増えるようです。

つづいて電力卸売価格の予測です。

こちらも上昇するという予測になっています。どうやら水力については開発できる場所はほぼ開発されて尽くしているようなのですが、地熱発電はまだ開発できる可能性があるようです。なので地熱発電開発が成功すれば価格は下がる可能性があります。

総じてみると、ニュージーランドの電力市場の特徴から、Trustpowerは今後も堅調に配当金を支払ってくれるのではないかなと思います。

  • 今後電力需要と価格が上がると予測される。
  • 自由化市場なので低コストの発電所が超過利益を持つ(あくまで私の仮説)。小売は利益が出にくい。
  • Trustpowerは他の大手企業と違いは発電事業専業になる(9月に確定)。他の大手は発電と小売の両方の事業を行う。
  • Trustpowerは電力価格が高い北島に水力発電所を多く持つ。

こちらがニュージーランドの電力市場からみてTrustpowerに投資した理由です。

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